発音の問題は、いつ頃相談するのがいいですか?

入学前までの解決をめざすならば、年中の夏休み前が最も良いでしょう。年長からの指導では入学までの改善に間に合わないことが多いのです。
発音の誤りには、自然には直りにくい側音化構音や口蓋化構音、鼻咽腔構音などの誤り方もあります。これらの誤り方の場合、医療機関を紹介しなければならないこともあるのです。
発音の誤りが多い時は、年少でも指導は可能ですのですぐ相談しましょう!

発音の問題は、何回位通室すれば直りますか??

とても個人差があります。直りにくいと言われる側音化構音でも、5回で終了したお子さんもいます。これまでの経験で3名ですが、100回を越えたお子さんもいます。一応の目安としては、25〜40回(週2回の通室で約半年から約1年)の通室で終了することをめざしたいと考えています。

相談・指導機関やことばの教室(通級指導教室)によっては、幼児の側音化構音や口蓋化構音の場合、年齢的に「直す意欲が低い」「誤りの自覚がない」などを理由に発音の指導を行わず、様子を見るか、ただプレールームで遊んでいるだけという話を相談にいらした親御さんから聞くことがあります。
発音の指導を行わない理由(?)は、なるほどと錯覚しそうになるのですが、実は、「直す意欲が低い」「誤りの自覚がない」ことがあっても指導はできるのです。ですから、もしすでにどこかで指導を受けていて、その指導がプレールームでの遊びだとしたら、指導を担当している先生に、「どうして発音の指導をしてくれないのか?」を尋ねてみましょう。親子共々貴重な時間を割いて通っているのですから。

但、口蓋裂や難聴など器質的な問題がある場合は、少なくとも1年以上通室する必要があると考えて下さい。でも3ヶ月も通室して、初めて来室した頃の誤った発音とまだ同じというこはありませんのでご安心を!

まだ幼児でも吃音と発音の誤りがあるのですが、発音の指導はしてもらえないでしょうか?

吃音があっても、緘黙的な傾向があっても指導は可能ですので指導します。

今から30年前頃は「発音の誤りを自覚するとかえって吃音が悪くなる。従って吃音が良くなってから発音の指導を行う」という考えが主流でしが。今でも、この古い考えで対処している相談・指導機関やことばの教室(通室指導教室)があります。
でも現在では、遊戯療法的な発音指導があり、むしろ発音の改善が、吃音や緘黙的な傾向にも良い影響を与えるようになってきました。
同じ言葉を何回も繰り返したり、言いたいことがあってもなかなか言葉にならなかったりすることは、それだけでも不快なものです。さらに発音の誤りがあって、子ども同士のコミュニケーションもうまくいかないことは、こころの発達の上でも良い状況にあるとはとても言えません。
せめて、発音だけでも、まずは解決しておきたいものです。